2008年俳句雑詠
雑詠


亀山城址







雑詠

出雲大社
暖房の効きて我が身のほぐれゆく
簡素なる二人住まいや根深汁
城山に多き碑(いしぶみ)寒椿
大冬木梢をそげる風の音
寒禽の籠もる小雨の城址かな
人気無き城址寒禽高々と
並び居る冬木黙して動かざる
降りて又止む間に解けて雪模様
何もかも洗ひ納めて去年今年
初詣鳩の降りる場無き人出
雪乗せし社殿の屋根の反り返る
寒牡丹わらべ揃ひしごと並ぶ
 

出雲大社

大根島の寒牡丹
蝋梅




探梅



病院で


寒林にて



節分祭


待春
深呼吸して蝋梅に近づきぬ
蝋梅の香りにも慣れ佇みぬ
頭を低くして蝋梅の香を潜る
山風に香りの届く梅林
さきがけし寒梅白し香を放つ
土の冷え足裏に届き梅探る
懐炉せし我を襲ひし眠気かな
著ぶくれて三人掛けの椅子狭し
音も無く鳶舞ふ空や冬木立
人気無き森の静寂冬木立
木から木へ呼びかけあふて寒鴉
外人も面白さうに節分会
老若の餅に群がる節分会
春待つや旅の案内見比べて
 


こもれび公園の冬木立

出雲大社石見分院節分祭

弁財天宮




春の雪









叔父様逝去





句会にて
出勤へ雪の身支度ありにけり
一もとの梅咲きそむる海の宮
潮騒のうねりを背なに梅の宮
風花の海より風の音に乗り
すっぽりと海を包みて春の雪
朝の日に光りて消ゆる春の雪
遠山を隠し日を消し春の雪
ひとしきり句帳を濡らす春の雪
雨傘を風の楯とす春の雪
春雪の残りし森の鳥語かな
木の芽まだ揃はぬ森の深閑と
賛美歌の流るる通夜や春灯
あたたかき顔のまま逝かれたる
天国も春立つ頃か逝かれたる
献体の迎への車春寒に
春寒の句座に熱き茶振る舞はれ
雛あられとりどり句座に配らるる
 

この町の春の雪

早春のこもれび公園
雨の
こもれび公園










日御碕







雪舟庭園
医光寺
静けさを森に誘ひ春の雨
街騒を遠くに春の雨を聞く
春雨の森の鳥語の秘めやかに
雨傘の散らばる園や初桜
鶯の一声呉れし雨の森
一本の先に広がる土筆の野
菜の花やセーラー服の似合ふ道
菜の花の遠く灯りし野面かな
経島は海猫(ごめ)のふるさと春の潮
海猫騒ぐ岬の春を逍遥す
経島に海猫びっしりと春の潮
灯台を見上げ見下ろす春の潮
春寒の風に衿立て日御碕
古木なる枝垂れ桜の色淡し
弾みたる見知らぬ同士花談義
ひとひらの花を浮かべし池の面
禅苑の裏庭深し百千鳥


 

日御碕の灯台

日御碕

雪舟庭園・益田の医光寺
伊根の舟屋
(京都府丹後)






明延鉱山
コウノトリの里

万葉古道



人麻呂つぬの浦

津和野城址



母の日

観音寺の紅藤
紅山句碑
春の潮引き入れ伊根の舟屋かな
春の潮伊根の舟屋の昼静か
海猫
(ごめ)船に付きて離れぬ春の潮
一湾の伊根の舟屋や春惜む
はからずも花追ふ旅の丹後なる
閉山となりたる村の花満ちて
コウノトリ遊べる里や山若葉
鶯の一声長き古道かな
耳神を拝す古道の蔦若葉
野のすみれ踏むまじ古道往き帰り
つぬの浦波に春愁流し来る
春寒も良しとて津和野城址かな
杖借りて登る城址や山笑ふ
リフトより手の届きさう若楓
母の衣の似合へる歳よ母の日よ
藤棚の内に籠もりし甘き香よ
夏めきし海見下ろして紅山忌


 

伊根の舟屋(京都府丹後)

天然記念物のコウノトリ
烏賊





香木の森



邑南町






浜田城址



雑詠
烏賊釣りの夜を待つ船の舫ひたる
生干しの烏賊の匂ひや日御碕
動かぬと見へて烏賊火の動きをり
海暮れて烏賊火の世界始まりぬ
緑陰に憩ひハーブの香にも酔ひ
動かずば身をすれすれに夏燕
草刈の音止み鳥語始まりし
間道は廃屋並ぶ夏薊
夏野菜並び人寄る無人市
滝音の川瀬に開く手弁当
風来れば翔び発ちさうに山法師
御手洗の水満々と薄暑かな
緑陰を恋ふ歩となりし城址かな
城垣に新緑の影濃かりけり
予定なき朝の二度ねや五月雨るる
島山を隠す梅雨霧深かりし


 

日御碕・街角の干し烏賊

香木の森公園のハーブ

邑南町の山に落ちる夕日
粟島公園


邑南町ハーブ園


いこいの村


京都・東福寺


大原・三千院
 



大原・実行院


嵐山・天龍寺


 
琵琶湖

五月雨や黒光りして烈女の碑
島山を隠す梅雨霧深かりし
濡るるほど梅雨霧深き山路かな
四囲山の風のそよぎや山法師
居心地の良くて動かぬ夏木蔭
涼風が何より馳走山ホテル
管長の出座に動き止む扇子
僧堂に夏座布団を敷き並べ
坂上がり来れば涼しき三千院
大原の清流は急夏木立
門前の茶店に汗を入れにけり
花沙羅の寺苑の奥のししおどし
花沙羅の寺は北山杉を背に
天龍寺軒に巣作り燕飛ぶ
青鷺の一景たりし法の庭
行程を一つキャンセル汗の旅
綺羅ありし湖の対岸夏灯

 

京都・東福寺

三千院の門前茶屋

天龍寺の本堂と庭園
東福寺


三千院

天龍寺
松尾大社

雑詠
万緑の御堂に響く読経かな
篤姫の所縁の寺や糸蜻蛉
汗の引く三千院の杉木立
風涼し長き広縁天龍寺
万緑の朝の宮居を掃き清む
砂日傘取り残されて日の沈む
風鈴の音に生まれし風の色
腕時計さへも暑さの種となる
水仕事している時間涼しけれ
朝よりの予定をこなし暑に耐ふる
冷や汁に話の合ひし二人住み
拭いたる母の遺影や盆用意

 

三千院の杉木立

千畳苑の夕日
案山子祭り




夜学



西瓜

浜田城址


芸北臥竜山








水音の案山子祭りの里静か
眼差しの誰かに似たる案山子かな
傘掛けてやりたき雨の案山子かな
子の迎へありし夜学の高齢者
夜学果て公民館の灯の消ゆる
片付けを皆で済ませる夜学かな
引越しの陣中見舞ひ西瓜下げ
秋蝉の鳴き尽くさむと城址かな
秋めきて日影まだ濃き城址かな
高原の広がりに秋拾ひける
秋草の野の広がりに風渡る
頂上は雲隠れたる臥竜山
落したる句帳拾ひぬ露に濡れ
公園の漆黒包む虫の声
満ちて来し月眺めつつ待つ夜毎
棚引きし雲縫ひ上る今日の月

 
こもれび公園











朝寒


寝待月

淡路島


十三夜
法師蝉弱き音色のひとところ
爽やかや父の押しゐる乳母車
爽やかや森の深さを風渡る
公園の静けさに鳴く昼の虫
どんぐりに道捗らぬ親子連れ
天空の風の変へ行く秋の雲
この森の一歩に木の実踏みさうな
やや寒を覚へし森の深さかな
朝寒や町の空気を引き締める
朝寒をほどく日差しと思ひをり
寝待月稽古帰りの空にかな
薄紅葉なせる淡路の宿に泊つ
淡路島に一歩を印す秋の暮れ
十三夜隈なく照らす村に泊つ
中天へ孤高となりし後の月
合宿の村の灯りや十三夜
炭の香の炉辺団欒の泊りかな

 

南淡路ロイヤルホテル

大囲炉裏の炭火

体験村の水車
雑詠







吉備津神社
大山




備中国分寺


滝見観音




江津つぬの浦
秋の蚊の纏ひ離れぬしたたかさ
人住まぬ生家となるや木守柿
美しき彩散らして桜紅葉かな
夜具厚くするに始まる冬支度
運転の目を楽しませ冬紅葉
風音に乗りて木の葉の遥かまで
神域の池に映りし照紅葉
目印に大根吊るす野菜市
高原の白樺淡き朝の霧
大山の大根畑の青々と
古墳群多き吉備路の柿の秋
秋空へ五重塔の影長し
苔むせる落葉の磴や杖を曳く
木の葉降る観音堂へ道険し
千年を越へし堂とや秋深む
冬連れてつぬの浦波寄せをりぬ
これからの高さを秘めて冬の海

 

備中国分寺

吉備津神社回廊

人麻呂所縁のつぬの浦


白浜温泉


紀州道成寺


浜田城址









浜田道

江津・浄光寺
年用意後に残してまずは旅
早々と宿に着く旅日短
冬の波真近に旅寝枕かな
三重の塔の裏なる冬紅葉
清姫の所縁の寺や冬紅葉
時雨止み城址に鳶の笛高く
風無くてしきりに木の葉舞ふ時も
雨粒の草に光れる片時雨
木の葉降る梢を渡る風の鳴る
苔むせる城址の塔や冬ざるる
山眠る城址をしのぶ歩とならむ
飾るもの無く動かざる枯木立
県境を越へて石見の片時雨
善太郎像を囲みし冬紅葉

 



紀州。道成寺

白浜・千畳敷

江津・浄光寺