俳句雑詠へ2010年俳句雑詠TOPへ

1月俳句
冬籠



雑詠
  





元日


初詣


七種
冬の日の眩しき一と日ありにけり
癒へきらぬ足労わりつ冬籠
ぬくぬくとして冬籠り有り難し
リハーサル終へて夜寒の町の灯に
山里は人影もなく冬ざるる
髪結ひの椅子に眠気や年の暮
湾内も波逆立ちて北風(きた)強し
元日の新聞の嵩読み広げ
初の字の目に新しきお元日
杖の身の近くの宮へ初詣
絶え間なく神鈴響く初詣
音立てて香りをきざむ薺粥
母忌日了たる夜の虎落笛
(もがりぶえ)
骨折の踵にしみる寒さかな

 

出雲大社浜田分院

出雲大社
臘梅


雑詠


こもれび公園








寒月

雑詠
臘梅の香り溜りに佇みぬ
風下に居て臘梅の香にむせる
その人と分らぬほどに著ぶくれて
悴みて句帳の文字の歪みたる
寒林の先に展けし日本海
空昏め森の深さに小雪来る
大寒の風身に構へやり過ごす
枯木立空の透き間を広げたる
寒鴉群れ鳴き森を我がものに
分け入りて見上げる丘の梅固し
寒月に射られてしばし佇みぬ
日脚伸ぶゆとりの出来し帰り道
外に出たき思ひの日々や春を待つ

 

臘 梅

こもれび公園
富士の山


浄蓮の滝
天城峠

河津桜




熱海の梅園


伊豆の大島



唐鐘の若布
春の雪いただく富士を機上より
四温晴れ飛機より眺む富士の山
踊り子の歴史をつなぐ伊豆の滝
木々芽吹く天城峠を越えにけり
落ちる日に紅透く河津桜かな
人溢れ花の盛りの河津かな
花溢れ人のあふるる河津かな
早咲きの熱海桜の満開に
梅が香の風に旗揺れ甘酒屋
一万本椿咲かせる島なりと
春潮や島のあんこの手を振れる
春塵の靴の語れる旅終はる
透かし見る小船溜りに若布生ふ
磯の香を好む夫へと若布汁

 

中伊豆の河津桜

岸壁に見送りのあんこさん達

木洩れ日公園








松江行き





春の雪辺りの音を吸ひ込める
この冷えに咲くを待ちをる桜かな
木々の芽の秘めやかに森動かしぬ
森奥に展けし海や沖霞
山風の吹き止む時の暖かさ
待つ甲斐のあり鶯の高らかに
木洩れ日のまだ影淡し青き踏む
春炬燵しつらう船に足伸ばし
花冷えの堀川船に身を任せ
花の城より眺望す松江かな
春寒のホーゲルパーク子等溢れ
子と孫と急がぬ旅の長閑かな
 



松江ホーゲルパーク

松江城
 
雑詠


角館
  




奥入瀬渓流
   
八甲田連峰

十和田湖
雑詠
行く所咲き満つ花の町ばかり
引き潮に添ふも添はぬも花筏
みちのくへ花追ふ旅の雨がちに
北国の春待つ心一入と
そぼ降れる雨の水輪や水芭蕉
水芭蕉より湿原へ歩を伸ばす
奥入瀬の音清らかや残る雪
八甲田雪の回廊楽しめる
侮れぬ春の雪降る津軽かな
みちのくの湖の碧さよ春の雲
万緑の輝き増せる雨上がり


 


刺巻湿原の水芭蕉

八甲田雪の回廊
益田万葉公園


中学同窓会


大山



花回廊


大山ロイヤル
ホテル
この園の広がりに鳴く時鳥
池の面に止まりさうに糸蜻蛉
旧姓で呼び合ふ集ひ風薫る
短夜の話尽きざる同窓会
夏霧の山の全容隠したる
山頂を隠す夏霧消えやらず
静けさを誘ふ沢水時鳥
花回廊丘のベンチに汗入るる
バラ園のベンチに甘き香を纏ひ
暮るるまで野を飛び交ひし夏燕
夏の灯を見下ろす山のホテルかな
ピアノ聴く夜のラウンジ薔薇匂ふ


 

とっとり花回廊

とっとり花回廊
海浜公園









こもれび公園
日陰なる紫陽花彩を失はず
景見れぬ階段の試歩夏の潮
紫陽花の塀をはみ出す角屋敷
洗ひ物すれば指先より涼し
立ち話途切れぬままに炎天下
シンプルな暮らしを望み涼しく居
緑陰に身を洗わるる風浴びて
炎帝のまだ起きやらぬ朝の森
涼風に波といふものありにけり
鳥語なす森の涼しき風纏ふ
涼風を夫と分け合ふ杉木立
青空のピンと張りたる酷暑かな

 


海浜公園の紫陽花

海浜公園
雑詠










花火

雑詠
キャンパスの大きく見ゆる夏休み
窓ガラス触れば暑き猛暑かな
言うまいと思へど口に出る暑さ
何を着て行けばよいやらこの猛暑
立秋の風を探せどいまだなる
海染めて一と日の名残り大夕焼
ひぐらしの鳴き続きつつ海暮るる
思い出の父母は若かり遠花火
高台の夜風に吹かれ遠花火
見知らぬも会釈を交はし墓参り
流れ雲空より秋の来る気配
ちちははを一入思ふ終戦日
目眩みて上も向かれぬ残暑道


 


浜田港の夕日

遠花火

こもれび公園










松江の
レストランLAUT

大山
名水天の真名井
地球病んでいるか残暑の納まらず
公園に入ればゆっくり秋日傘
秋風の身を吹き抜けて行く森に
一と刷毛の色滲ませて秋の海
秋涼し梢は風のものにして
虫篭にこの声弾む木立かな
風やめばまた取り出せる秋扇
秋風の立てば木洩れ日動きけり
美味なれば皆な爽やかなる顔に
秋桜風の行く筋変へにけり
細道や葉裏に隠れ葛の花
音立てて天の真名井の水澄める
澄める水杖の夫へと汲み上げし
名水の澄めるを引きて田畑守る

 


大山名水百選の天の真名井

松江イングリッシュガーデン
こもれび公園







四国
障害者の旅


雑詠


人麻呂公園
秋蝉の絶へたる林風ばかり
じっと座し居れば愁思の増す森に
秋風の森を鳴らして過ぎ行ける
海見ゆる公園の木々初紅葉
鳶の舞ふ港町なれ鰯雲
古靴と決めたる旅や秋の雨
小雨来る旅の日暮れや愁思なほ
愁思なほ屋島の歴史聞きてより
子等の声よく通り来る秋日和
秋の日に鮮やか石見赤瓦
そこばかり彩を集めし樟紅葉
昼灯す茶屋の賑はひ薄紅葉
どんぐりの落ちしばかりの青さかな
 

道後温泉元湯

浜田マリン大橋
雑詠








浜田城址
稽古終へ見上げて帰る十三夜
昨夜雨の連れ来しそぞろ寒さかな
野菊道話してそれとなく別れ
刈り込みに抜きん出て来る石蕗の花
趣味一つ減らせる今年木の葉髪
冬日向ベンチに心遊ばせて
易々と風吹き抜くる冬木立
日陰れば矢張り小寒さ城址なる
花石蕗へ路を選びし遊歩かな
落城を語る碑冬紅葉
城山の遊歩に秋を惜しみたる
大木の古き命のもみづれる
大木の高さを遊び散る紅葉
晴天の余白を広げ冬木立

 


浜田城址・司馬遼太郎文学碑

石蕗の花
近江八幡
永源寺


近江商人屋敷


東福寺



通天橋







円通寺
雑詠
額縁に見えたる寺門冬紅葉
庭石の苔を彩る散紅葉
禅苑の錦に添へる帰り花
近江路の商人屋敷吊るし柿
白壁の近江商家の冬座敷
幾十の僧の勤行十二月
天井の龍睥睨す堂寒し
本堂の底冷え足に唱名す
燃え尽くす通天橋の冬紅葉
一過客たりしよ京の冬紅葉
一古刹深紅に染めて散る紅葉
蹲に沈むも浮くも冬紅葉
佛燈のさ揺らぎも無く堂寒し
借景の叡山遥か冬紅葉
数え日の電飾の町煌ける
掛け変へし暦の厚さ年の暮
初雪に心仕度の急かさるる
 






近江の臨済宗永源寺の紅葉

京都東福寺の通天橋

東福寺・堂本印象作の龍